憧れのタイム・マシン
オートバイのスペシャル・パーツで知られるPMCさんにお邪魔してお話を聞く機会がありました。
PMCさんは、我が地元の淡路島に本社を置く全国的知名度のスペシャルバイクをプロデュースする会社です。
バイク好き、特に人気の絶版車カワサキZ系に興味を持つマニアがPMCの名を知らないと、モグリと断定される程に有名です。
マニアに支持されるのはもちろんですが、メジャーなバイク雑誌の取材などを度々受け、特集などが企画されるのにはそれなりの理由があるのです。
大型バイク乗りを現役引退した今の僕は、大抵のバイクを見かけても興味も湧かなくなっておりましたが、先日、国道沿いで見かけたグリーンのバイクはハッとするほど美しく、つい立ち寄って近くで見たい衝動に駆られました。
そのバイクが止めてあったのが、国道沿いの洒落たPMC社屋の前だったというワケ。
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ベースとなる車両はカワサキの2サイクル空冷3気筒のH2(マッハ750)というモデルなのですが、スペシャルパーツを纏い、スタンダードの印象とはまったく別モノで、どこか懐かしいカフェレーサーの香りがします。
欧米ではカフェ・レーサーというようなカテゴリーが好まれた時代があり、ウインカーなどの保安部品を外せばそのままレースにエントリーできるようなバイクが今でも結構一般公道を走っているようです。
このH2スペシャルもセパレート・ハンドルやバックステップなど、一見して乗り難そうですが、それをスマートにカッコ良く乗りこなせるちょいワルおやじなどに似合うバイクだと感じました。
僕もこれなら欲しいかも、と参考に値段を聞いて即座に諦めました。美しいものはそれ相応の対価を必要とする、つまり高級セダンが買えるような値段でしたな、・・・グスン。
ところが実は、その玄関先のH2スペシャルはほんのイントロダクションと言うべきで、「中にも面白いバイクがありますよ」と快く応対して頂いた企画・開発部長のOさん。
案内されたショップのフロアに実にさりげなく置かれたグリーンのマシンには本当に吃驚させられました。
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あの70年代初頭に排気量500ccのH1(マッハⅢ)をベースとした伝説の市販レーサーのHI-Rが、なぜここに鎮座しているのか訳がわからないまま立ち尽くして見とれておりました。
それにしても、カッコいい!!
ホンダのCB750-Rと並んで、僕の憧れのバイクの原点と言っても良いフォルムです。
「いかん!このリアクション、ただの無分別なオモチャ好きのガキのノリやな」と我に返ったのですが、時すでに遅し。Oさんにはしっかり見透かされていたようです。(お恥ずかしい)
年甲斐もなくテンションが上り、気さくなOさんに甘えて写真まで撮らせて頂きましたが、車体の本来の魅力を表現出来るような設定で撮影が出来なかったことを、今更ながら悔んでいます。
その他にも、僕らの年代のバイク好きが見たら垂涎もののバイクが展示フロアに、これらもさりげなく並んでいました。
しかも、ヒストリー・バイク・ミュージアムなどにありがちな、センチメンタルなかび臭さなどみじんも感じさせない、新車と見まごうばかりの輝きを放つ魅力的な絶版バイクばかり。
それらを見ただけで、PMCスタッフの皆さんのバイクに対する洗練されたセンスと情熱、さらにそれらにもまして感じるバイクへの深い愛情などがひしひしと伝わってきました。
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思い出の、70年代のバイクイラストをこれから少しずつ描いていきたいと思っていた矢先でしたので、ほんとうに良いきっかけが出来ました。何時になるか分りませんが、イラストが描けたらブログにアップして行きたいと思います。
貴重な時間を割いてお話を聞かせて頂いたPMCのスタッフの方々に感謝致します。有り難うございました。
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