イノブタ被害
ここ淡路島の中山間部では、イノブタによる農作物の被害が深刻化しています。
我が家も後2週間ほどに控えた米の収穫期を直前に、イノブタの侵略・被害に遭いました。
本来ならスズメの取り分、ネズミの取り分などと多少の鳥獣害は大目に見て来たのですが、イノブタとなると事態は深刻。ある農家などは秋の水稲収穫を全てをダメにされた例も聞きます。
彼らは最初はそれほどでもないのですが、徐々に侵略がエスカレートして、策を講じないと遂には収穫直前に群れでやって来てやりたい放題。田んぼに入ってお米をなぎ倒し泥だらけにして食べ散らかしてしまいます。
被害に遭った哀れな百姓は、一年がかりの苦労がこの有様かと茫然自失となり、やがて取っ捕まえていったい何処が肩だか首だか分らないイノブタの、首根っこを締め上げてやりたくなります。
しかし、彼らには「生きる」という究極の目的があるためバイタリティが半端無く、自覚無くのほほんとやっているついでの百姓とは知恵も体力も数段上なのでそうやすやすとは捕まってくれないのです。
更に、このイノブタは一応野生動物ということで誰でもが罠などを仕掛けて捕獲出来ないことになっていて厄介です。捕獲する為の資格を取得するのには結構難しい試験や実技をパスする必要があるらしいのです。・・・やれやれ。
イノブタはもともと野生のオスのイノシシと家畜のメスのブタとの交雑種で、実は先進技術のシンボルのような言葉「ハイブリッド」の語源と言われているほど、人間の都合で創り出された「良いとこ取り」のような生き物。
なので、野生の猪は一回の出産は多くとも数頭なのですが、イノブタはブタ並みに7〜8頭の子供を産むので少しくらい捕獲しても全然駆除には追いつかないというのが実情なのです。
何かの事情があってイノブタの飼育業者が管理しきれなくなって島の野に放ったのが更に野生の猪などと交雑して増えたもののようですが、全島挙げての徹底的な対策が早急に望まれるところです。
専業農家やお金に余裕のある兼業農家は被害の出ないように設備に投資をしますが、我々のような趣味程度のながら百姓は、極端に言えば20万円程度のお米を収穫する田の周囲を30万円の工費を掛けて完璧な柵を作ったりするのは出来ませんからねぇ。
そうでなくとも機械の購入・維持費や肥料・農薬代で大赤字の農家が多い中、このままだとイノブタ被害が営農放棄のきっかけになる農家もこれから出てきそうな感じです。
ほんと、農家の悩みはあれこれと尽きることがありません。
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