鳥見のジンクス
最近、寒い海辺で長時間過ごすことがよくあります。
お目当ての野鳥が地元淡路島の河口で観られるからなのですが、特にこの時期は北西の風が吹く寒い日が多く、来るか来ないか分からない鳥を長時間待つのは、常人には理解し難いかもしれません。
どのタイミングで撤収して帰るか、野鳥カメラマンにとって常に悩ましく、とくに他にもカメラマンが居るような場合は、自分が帰った後に決定的瞬間が訪れるかもしれないといマイナス思考もよぎります。
これは、野鳥撮影を始めたばかりのビギナーでも百戦錬磨のベテランでも同じようなことだと思います。
そのお目当ての鳥というのは「コクガン」
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シベリアなどの北の地で繁殖し、日本では冬期に北海道や北日本で観られますが、数は多くなく特に関西以西では記録例が少ないレッドデータブックの絶滅危惧2種のガンの仲間です。
淡路島の美しい海辺にやって来てくれた珍しい冬の使者を、もっと印象的に、更に鮮明にカメラに収めたい、という気持ちでついつい長居をしてしまうのです。
ところで「青い鳥が出てきたら、その日の鳥見はそろそろ終了かな」というのが僕の鳥観のジンクスにあります。
お目当ての鳥が現れるのを何時間も待って、待ちくたびれたころにふと気がつくと青い小鳥が尾羽を上下させてこちらを伺っている、という子供の頃からの記憶があり、そこから来たジンクスなのです。
小学生の頃、裏山に入って、ミヤマホオジロやベニマシコなどの赤や黄色の奇麗な鳥を長い時間待って、気がつくと待ちくたびれた僕のすぐ近くでこちらを伺う地味な青い鳥「ルリビタキ」。
ルリビタキが現れてくれると、自分を納得させて「今日はこの辺でそろそろ帰ろう」と帰り支度を始めたのを思い出します。丁度そんなタイミングで親爺が心配して迎えに来てくれたりしたのも懐かしい思い出です。
この日も、出来ればもう少しマシなお目当ての野鳥の写真を撮りたいと、寒風に晒されて粘っていると、目の端にチラリと入った青い鳥。
淡路島の海岸の至るところで見掛ける青い鳥「イソヒヨドリ」です。もう、そろそろ撤収の潮時でないかい?、という感じでこちらを伺っていたので、その有り難いご忠告に敬意を表して最後に写真を一枚。
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もしかしてこの青い鳥、この年になっても未だに馬鹿な息子を気遣い、天国から使いに出した心配性の親父の仕業かも、と懐かしく思うことがあります。
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