冬は夕暮れ
夕暮れ時は、雰囲気のあるスナップを撮るには絶好の時間帯。
特に大気が澄み遠景がクリアになる冬は、画像がただ鮮明になるだけではなく、写真に透明度と奥行きが出て情景描写にも深みが加わるように思います。
清少納言は、夕暮れは秋が、冬はつとめて(早朝)がGood! だと枕草子で著していますが、カメラマンそれぞれに作品にしやすい季節毎の時間帯がありそうです。
上の写真は、静岡県の三保海岸で富士山を撮影している時に、隣にやって来たバイクの若者がちょっといい感じだったので、富士山に向けたレンズの向きを変えてみました。
彼はバイクを止めて、夕日に赤く染まる富士を携帯カメラで撮り、ささやかな感動のお裾分けを誰かに写メールしているようでした。
ライディングで冷えた彼の胸にぽっと灯った明かりの温かさを現せればと、対岸の清水港の灯火りが背景になる位置まで移動して、そっと撮らせていただきました。
ありがちな何気ない風景ですが、写真としてフレームに収めると、撮る人と観る人なりの思いが投影されて、それぞれの物語のワンシーンとして展開していきそうです。
光線に角度がつく時間帯には、被写体が一瞬輝いたり力がみなぎって来たりしますが、その魔法の力が急激に失せるのもこの時間帯です。
下の写真は静岡から帰りの伊勢湾岸道のSAで迎えた日没直後のカット。まだまだ遊びたりない子供ごころを、ぎりぎりの光線で捉えたところを感じてもらえればと。
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