気まぐれ親子ツーリング
3連休の真ん中、絶好の行楽日和の日曜日。
愛車マジェスティを洗車した勢いで、ぐうたらしていた息子を誘いタンデム・ツーリングに出かけました。
といっても、我が家から淡路島を北回りで半周、東浦経由で岩屋まで北上して国立淡路島公園まで駆け上がって尾根伝いを戻り、あわじ花桟敷へ。北淡町から西浦沿いに走って我が家にゴールイン。ゆっくりとあちこちに立ち寄りながらの2時間足らずのお気軽ツーリングでした。
自由を愛するけれど、そのわりにお金は自由にならない好奇心旺盛な若者がバイクに興味を持つのは当然の成り行き。我が息子もウエスタンが大好きで、荒野の用心棒のクリント・イーストウッドのように馬の代わりにバイクに乗って彼方此方をさすらうのが夢なのだそうです。
人の親なら子供の心配は誰でもするし、出来る事なら危険なバイクなど乗って欲しくないのが本音です。事実、僕の友人でバイクで先立った親不孝者は1人や2人ではありませんし、僕自身も間一髪で死なずに済んだような状況は何度かありましたから。
息子の年に僕はもう50ccのミニバイクで本州の最南端、下関まで家出のようなかたちでツーリングを敢行しています。親にいうと絶対許してくれない事は分かりきっていましたから。2日目に下関で泊まった宿のおかみさんの温かい言葉で里心がつき、九州に渡らず帰路に着き、ひたすら走って家に辿り着いた思い出があります。
埃だらけ泥だらけで家に辿り着いたら親父が平日にも関わらず家にいて、怒りもせず理由も聞かずに、ただ風呂を沸かして入れてくれたのを鮮明に思い出します。遥か30年以上も前の話なんですけどね。
僕がバイクで家を出てからの親父の心配ぶりは尋常ではなく、側で見ている家族の方も大変だったと、後になって兄貴にひどく叱られました。そうそう、僕がバイクに興味を持ったのはその兄貴の影響なのでした。
中学校の時に兄貴の愛車YAMAHA650ccのバイクの後ろに載せてもらって行った小豆島ツーリングの鮮烈な印象がバイクにのめり込むきっかけでした。それから結婚して子供が出来てバイクを手放すまでの間、バイクで得た数々の経験や知識そして出会いはかけがえのないものです。
親の都合であれこれ禁則事項を設定して、気がつけば籠の鳥のような詰まらない人間になっていたというのではこれも困りものです。高校生にもなればそこら辺りの判断が自分で出来ないようでは将来の展望も明るいものとはいえないでしょう。
亡くなった親父があの日、ぐっと奥歯で耐えて無言で伝えたかった事は当時の僕なりに理解したつもりでいましたが、あの頃の親父の年になってようやく裏も表も、本音も建前も理解出来るのです。親子の間の理解とは所詮そんなものかも知れませんね。
写真上は海沿いの海産物の土産物屋さんの店先にて。下は翼港で遠方から来たツーリストのような顔で記念写真に収まるノーテンキな親子。
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